1月16日、今年初のイベントとなる「social football SESSION」を開催しました。
「social football SESSION」は、サッカーを通じた社会貢献の可能性を追求する、参加者同士の対話型の勉強会です。

今回のテーマは「女性のキャリア」
“人生100年時代”に突入し、パラレルキャリアやリカレントといった働き方・生き方が叫ばれたりと従来のワークスタイルから一変して社会が価値観を変え始めている中で、「自分はこのままでいいのかな…?」と悩んでしまうことがあるのではないでしょうか。

そこで、女性たちが自分らしく社会で活躍できる生き方のヒントを見つけてもらえるよう、第一線で活躍を続ける女性ゲストをお呼びしてセッションを開催しました。

お一人目は、プロサッカー選手として今も現役で活躍する傍ら、昨年7月にご自身が立ち上げた株式会社LeidenschaftのCEOを務める永里優季選手。

お二人目は、品川女子学院で理事長を務め、7年間で入学者を60倍に伸ばした経営者、漆紫穂子さん。

今回の会場は清澄白河にある「The Fleming House」
平日夜にも関わらず多くの方にご参加いただきました!

まずは運営団体であるわたしたち、social football COLOの紹介です。
COLOはサッカー、フットサルといったフットボールを通じた社会貢献を行うために結成されました。3.11東日本大震災を契機として、サッカーという魅力あるスポーツを通じて、防災減災を考える、行動するきっかけづくりのための活動を行なっています。

social football SESSIONは、ゲストのセッションをただ聞くだけではなく、参加者同士が意見を共有し合い、それぞれの想いを深めることを大切にしています。

そこで、今回もゲスト登場の前にみなさんで自己紹介タイムをとっていただきました。

ご自身もアスリートである方、
二足のわらじで副業も営まれている方、
スポーツビジネスに関心のある方など・・・

実に多様な参加者の方にお集まりいただき、スタッフも含めて皆様の自己紹介を
とても興味深く聞かせていただくことができました。

さらに、今回はイベントのテーマである「女性」とわたしたちの取り組みテーマである「防災減災」を掛け合わせて、”女性の防災”についてディスカッションしていただく時間もご用意しました。

アイスブレイクで会場が温まったところで、いよいよ!ゲストのご登場です。

まずは、永里さん、漆さんよりこれまでの取り組みやキャリアについて考えていることなどをそれぞれお話いただきました。

アスリートは結果を常に考えさせられるお仕事。だからこそ今までサッカーしかしてこなかった、サッカーを選ばなければならない人生だったと語る永里さん。

これまでは、サッカーという1つのことに集中してゴールを追い続けてきました。
勿論その努力によって日本代表、得点王、ワールドカップ優勝など輝かしい結果を残されています。

しかし、何故その結果を残したいのか?については答えがなかったそうです。

一流のサッカー選手として世界でプレイしている永里さん。
ヨーロッパとアメリカで活躍し、様々な経験をする中でサッカーは表現するための手段だ、ということに行き着きます。

それからは「いろんなことにチャレンジしたい」という気持ちが芽生え、
自分の軸を持ちつつも、合気道など新しい挑戦もできるようになったそうです。

そして、現役プロサッカー選手でありながら株式会社Leidenschaftを起業。
ドイツ語で”情熱”という意味を持つこの会社を立ち上げたのは、社会とつながりを持ちたい、自分がサッカーからもらったものを還元したいという気持ちだったと語ります。

「自分がお世話になったサッカーに貢献したい」
「女子サッカー選手の練習施設やキャリアサポートにより一生楽しめるスポーツになって欲しい」

まずはファーストキャリアを築くための環境が整備がされ、
セカンドキャリアサポートもある安心して取り組める競技になることで、
安心して子どもにサッカーを習わせてくれる方が増えてほしいと話してくださいました。

自分の強みを生かして社会貢献できるフィールドへ。
まずは何でもチャレンジして、やりたいのか、できるのか、を考える。
そんな永里選手からのメッセージは「生きる目的を見つけ、導かれるままに人生を歩もう」。
1つのことに真剣に取り組んだからこそ本質にたどり着き、
自分だけではなく未来の女子サッカーのために活躍を続ける永里選手はとてもワクワクした表情で、輝いていました。

そして、会場の興奮も冷めやらないまま漆さんのお話が続きます。

今回イベントへの登壇依頼を受けた時、縁を感じたと話してくださる漆さん。
理事長を務める品川女子学院の設立のきっかけは関東大震災だったそうです。

大正14年に震災復興を目指し、漆さんのご祖母様にあたる漆雅子さんが、
「社会をつくる女性を育てる」を理念とした品川女子学院を設立されました。

周囲を巻き込んで行動ができる方だった雅子さんは、
関東大震災が起きた際にも即座に安否確認をおこない避難所を設立。
そこに人が集まり、被災者や災害弱者を守るプラットフォームを作り上げました。

時を経て、漆さんが教員となり他の学校にお勤めになっていた頃、
品川女学院中等部は1学年5人のみで生徒数の減少が深刻化していました。
そこにお母様のご病気が重なるという危機的状況に。
漆さんは悩んだ末、当時勤めていた学校を辞職し品川女子学院の改革を決意されました。

母校損失の危機を迫られる改革の時に変えなかったことがあるそうです。
それが、「理念」と「人」でした。

一般的に学校改革を行う場合は、共学化したり職員を縮小する方法もありました。
しかし、漆さんは本当に大切なことは変えずに改革に挑んだのです。
「何のために生きているのか、迷った時は理念を考えるようにしている」と語ります。

さらに漆さんは、何かを「決断する時のコツ」と「壁に当たったときの乗り越え方」も教えてくださいました。

決断する時のコツ
1.優先順位は2つある
2.譲れないことを決める
3.大事なことは相談しないで決める
4.最悪のストーリーを描く
5.未来から今を見る
6.後悔のない決断はない

壁に当たったときは
1.変わりたいときは環境を変える
2.きちんとやるより、とりあえずやる
3.頼む力を発揮する
4.無気力な時も大切、点は繋がる
5.人と比べない
6.自分を可愛がる

この1つ1つに、漆さんがご自身の経験から得られたエッセンスが凝縮されています。
わたしたちも漆さんの言葉で前に進んでいけそうな、とても元気づけられるお話でした。

実は、漆さんは学院の理事長を務める傍、トライアスロンの日本代表選手でもあるのです!
大きな改革を成し遂げてもなお挑戦し続ける姿に、背中を押された参加者の方がたくさんいたことでしょう。

ここまでは、永里さん・漆さんそれぞれの話を聞かせていただきました。
後編もおふたりと一緒に、さらに「女性のキャリア」について考えていきます!