荒:菅家くんとの出会いは2009 年。僕が代表を務める”NPO 法人GoodDay”にインターンとして来てくれました。そのあと、東日本大震災があって菅家くんの人生も大きく変わったのではないでしょうか。
菅家(以下 管):はい、そうですね、僕は20歳くらいのときから社会起業家になりたいと考えていて、GoodDayなどで活動をしていましたが、さらにこれから将来をどうしようかと考えているときに、東日本大震災が起こりました。
僕は福島県郡山市の出身で、生まれ育った福島がどうなってしまうんだろうと、とても不安で悲しかったです。その気持ちをバネに、”Link with ふくしま”という団体を立ち上げて、福島と企業やボランティアをつなげる活動をしていました。
荒:”Link with ふくしま”は、福島大学や大企業とともに福島の復興に取り組み、とても素晴らしい功績を残していますよね。僕も複数の企業の復興支援の活動をサポートしていますが、その際に菅家くんには福島に関する様々なことを教えてもらいました。
ところで、その後なぜ福島のこどもの支援に焦点を当てて起業をしたのですか?
菅:あるとき福島のこどもたちと遊んでいて、そのこどもたちの反応がとても純粋で、笑顔を見ていられるのが楽しかったんです。
でも、こどもに「また明日来てくれるんでしょ?」と聞かれたのですが、他の活動のため行けなかったんですね。それがなんだかとても残念で、そのときにぼくは福島のこどもたちの支援をしていきたい、こどもの笑顔を増やしていきたいと強く思いました。
福島では放射線の影響で、外で自由に遊べないこどもたちがいます。そのためこどもたちの筋力と食欲の低下が問題になっています。
それに、やっぱりこどもたちは外で遊びたいんですよね。どうしたらこどもたちに楽しんでもらえるか、それをずっと考えていたことが”プレイノベーション”の起業につながりました。
荒:プレイノベーションの事業について教えてください。
菅:”PLAY”という、こどものあそびをもっと自由にできるようにする幼児教育プラットフォームをつくっています。
具体的にはiPad やスマートフォンがあれば、どこでもこどもたちがカラダをしっかり動かして、楽しく遊べる機会をつくる事業です。
こどもたちにとっての遊びは、身体的な成長の場でもあり、精神・知識的な学びの場でもあります。そんな大切な遊びが自由にできない現状を変えたいんです。
荒:福島の未来を考えると、菅家くんのような若くて志が高い起業家が生まれることは地域の活性化や次世代の模範となる意味でも、とても大切なことですよね。
COLO CUPでは、ぜひ菅家くんという起業家を応援することで、福島のこどもたちに遊ぶ機会をつくれたら嬉しいです。
菅:はい、ありがとうございます。今はちょうど起業したばかりですし、応援していただけるのは僕も嬉しいです。
COLO CUPからの寄付金は、年に2 回ほど福島で行うこどもたち向けのイベントで使用したいと考えています。
荒:これからもお互いがんばりましょう。また福島に遊びに行きますね。
Link with ふくしま
NPO 法人GoodDay
Plainnovation
Profile/プロフィール
Plainnovation
代表 菅家 元志さん
1987年福島県郡山市生まれ。福島県立安積高校を卒業後、慶應義塾大学商学部を経て、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科に進学。在学中にインキュベーター、JETRO L.A. 支部、環境系NPO、MBA 大学院など様々な分野でインターンシップを経験。
震災後、地元福島のために福島県内外の人々や企業、団体をつなげるため任意団体「Link with ふくしま」を立ち上げ代表を務める。
福島大学災害復興研究所へ復興支援プログラムの企画運営スタッフとして参画中。上記のような活動を通じて福島をはじめとした世界中の子どもたちの遊び環境や教育環境に問題意識を持ち、子どもたちに溢れる笑顔と豊かな教育を提供するための事業を立ち上げる決意をする。
齋藤 さおり=写真
2013.12.24 [Report]ページに追加情報を更新しました。
Company/団体
- 応援団体
- [Plainnovation(プレイノベーション)]
- 代表
- 菅家 元志
- 事業概要
- オンライン幼児教育サービス「play」の企画運営
・用事向け教育コンテンツの制作・配信事業
・会員事業
・広告事業
・マーケティング支援事業
・幼児教育に関する遊具・教材販売事業 - ホームページ
- http://www.play-pallet.com