2015.5.4-5 / social football COLO 陸前高田視察:レポート(2nd)
2日目、いよいよ今日は市長との面談と、スポーツグラウンド・クラブハウスの視察です。
その前に、今回宿泊でお世話になった「民宿 沼田屋」さんのご紹介。
●民宿 沼田屋
震災時に多くの民宿が津波で流されてしまいましたが、沼田屋さんもその一つで、昨年7月に場所を移して営業を再開されました。夜ごはんには地元の海の恵みを沢山頂き、心地良い空間とやさしいお持てなしに一同ホッと癒されました。
●米崎小学校
沼田屋さんの裏手にある米崎小学校の近くを通ると、グラウンドには仮設住宅が建ち並んでいました。このような光景が日常となっている陸前高田ですが、元々は2年間という予定だったのが既に4年が経過しています。
仮設住宅に暮らしている方々の気持ちを思うと言葉になりません。また、こどもたちの運動の場が失われている状況は、スポーツグラウンドプロジェクトの意義に想いを強くする光景でした。
●陸前高田市、戸羽太市長と面談
ご存知の方も多いとは思いますが、陸前高田の市役所は仮設のためプレハブです。この街が本当に復興を遂げられたときが、プレハブからの卒業の時なのかもしれません。
忙しい中時間を割いてくださった戸羽市長。復興の状況や街と人の課題、被災の経験や教訓を生かした日本の防災減災の課題などについてお話を伺いました。陸前高田で仮設住宅から出られている人はいまだに2割ということで、スポーツグラウンドがこの街に果たす役割の大切さについても語っていただきました。
そして、沿岸部に計画している「高田松原津波復興祈念公園」の整備状況について、実際の計画図で示しながら、現在も震災の傷跡が刻まれているいくつかの建物については、今後、祈念公園内に震災遺構として残すことで、後世に防災減災の大切さを伝えるために、広島の祈念公園のような場所にしていくということをお伺いしました。
悲惨な経験を受けた陸前高田市だからこそ、その教訓を日本や世界に伝えられることがあるという市長。「災害が起こった時にどれだけ後悔を減らせるか」「また災害が来ても、同じ被害を起こしてはいけない」と、自らも大切な方を震災で亡くされた市長の言葉が胸に残ります。
日頃市長が掲げている「世界に誇れる美しいまちの創造」。これは、景観だけでなく住んでいる人の気持ちが美しく優しい、障害のある方も高齢者も安心して住める、ノーマライゼーションという言葉が必要ない、平等に暮らせる街づくりのこと。
次に訪れるグラウンドを通じ、少しでもその夢の一端を担うこともsocial football COLOの役割の一つでもあると感じ、メンバーの顔が少し引き締まっての集合写真!
市役所を後にした車の中で、「被災地以外の人の関わり方について、たびたび訪れることの大切さや、防災・減災に取り組むことの意味を実感した」「初めて来た自分は、震災遺構を見ることで感じることが多かったので、祈念公園内に残してくれて良かった」といったメンバーそれぞれの想いを共有しました。
そして、いよいよグラウンドへ! こちらは最終節の 3rd Reportにてお送りします。
文:大西香奈恵
写真:田中宏明