2015.5.4 / social football COLO 陸前高田視察:レポート(1st)


social football COLOの原動力のひとつ「陸前高田」

東日本大震災から4年が経った今、復興に向けて歩む様子、現地の方々のそれぞれの暮らし。そして、私たちがチャリティフットサルイベントCOLO CUPやCSRコンサルティングを通じて関わってきた“陸前高田スポーツグラウンド”。少しでも多くのことを陸前高田から学びとろうと、COLO CUPにご支援を頂いている株式会社アズパートナーズ、株式会社TRコンサルティングや仲間たちとともに現地を訪れました。

●ら〜めん武蔵
最初の目的地、「ら〜めん武蔵」。店長の武蔵和敏さんは、陸前高田スポーツグラウンドプロジェクトの現地コーディネーターとして尽力されている方です。

ご自身も東日本大震災で被災されながらも起業し、この4月にイオン陸前高田店にお店をリニューアルオープンしました。日々地域の方に美味しい食事を届けています。

DSC_0079お昼時でとても賑わっています DSC_0089とろける厚いチャーシューに思わず「旨っ」と漏れる声

   

●Olahono(オラホノ) http://www.olahono.com/
ら〜めん武蔵で合流してくれたのは、岩手県を中心とした食材の一口オーナー制販売のサイトを展開する「Olahono(オラホノ)」の渡邉里沙さん。

渡邉さんは、都内で働きながら、環境問題に危機感をもったことをきっかけに農業に取り組むことを決意し岩手に帰郷。その後複数の生産者に声をかけ協力を仰ぎ、今ではこだわりの食材を作る生産者さんと消費者の私たちを繋げ、安心で美味しい食材を提供しています。

なんと、牡蠣のオーナー制度は、海に浮かぶ牡蠣ロープに自分の名札がぶらさがるそう!

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岩手県の生産者の現状、陸前高田の農業や漁業の現状をお伺いしています。
自然の恵みは多いけれど、販売を出来る人材がいないのが課題の一つということです。

 

●自然栽培農家 金野 誠一さん
午後には、自然農法でお米を育てている金野さんのお話を伺いました。海産物が豊かな広田湾が目の前に広がる美しい風景の田んぼ。しかし、震災では津波にのまれガレキだらけとなりました。

それでも、大地の生命力を信じた金野さんは、その年の5月にはボランティアの方と一緒に修復し、10月には塩害に負けず稲を収穫されたということです。

土や微生物のもつ力に耳を傾け、それぞれの生命に寄り添う大切さを説く金野さん。私たちが食事をとる喜びは、たんに目の前の食材の美味しさだけでなく、その食材を通して、その地域の風土と時間の恵みを頂くことの感情だと気づかされました。

そんな金野さんのお米は、すぐに売り切れてしまうので中々手に入れることは困難だそうです!
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笑顔で丁寧に伝えてくださる金野さんも、今年の4月まで仮設住宅暮らしでした。

 

●沿岸部 松原地区
4つ目の目的地、「奇跡の一本松」で有名な沿岸部の松原地区。
震災遺構の道の駅「高田松原」の爪痕が深く残された光景は、ただ言葉を失うしかありません。
かつて、国の名勝であった高田松原は、震災の津波により、陸前高田市は岩手県内で最大の被災地となり、高田松原の砂州と松が消失するという甚大な被害を受けました。

今後は、国、岩手県及び陸前高田市が連携して、この場所に東日本大震災の犠牲者への追悼と日本の再生に向けた復興の象徴となる「高田松原津波復興祈念公園」を整備していくようです。

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DSC_0164奇跡の一本松 DSC_0171高台移転を進めている気仙町の山を削った土を運ぶ
「希望の架け橋」と呼ばれるベルトコンベア。

初夏のようだった昼間の日差しも、夕方には涼しさが戻り、この日の最後の目的地、「まるごとりくぜんたかた協議会」の伊藤雅人さんに会いにいきました。

 

●まるごとりくぜんたかた協議会
まるごとりくぜんたかた協議会は、企業や団体の受け入れの窓口として、観光物産協会内に作られています。事務局の伊藤さんは、震災直後の遺体の搬送から瓦礫の撤去、避難所の対応から関わり今に至るまで、ご自身が育ったこの陸前高田でずっと復興に尽力されています。

陸前高田に様々な企業が、自社の人材育成や現地の学校の教育研修として関わっている状況や、今後さらに交流人口を増やしていく見通しについても話して下さいました。

COLOのメンバーからは「スポーツグラウンドを活用して企業対抗運動会!フットサル交流!?」といった話もでて、盛り上がる一面もありました。

COLO陸前高田

このあと、夕食を伊藤さんとご一緒することができました。その際のお話は、2日目のレポートとともにお伝えします!

文:大西香奈恵
写真:田中宏明