前回のレポートに引き続き、social football COLO インターンのがくが、当日のレポートをお伝えします!
■ブラインドサッカー体験会
いよいよブラインドサッカー体験会!
ここからはかなり緊張気味の僕が体験会のメニュー4つをご紹介させていただきました。
(前日はテンション上がりすぎて、眠れなかったです。笑)
① アイマスクに慣れよう
② ボールを触ってみよう
③ アイマスクを付けて、ボールをトラップ
④ シュート練習
デモには埼玉T.Wingsのホープで女子ブラインドサッカー界を担うことが期待されている中学2年生、菊島宙選手!、ナマーラ北海道の初ゴールを決めるなど、攻撃力が持ち味の20歳、木村和平選手!
若い二人がデモンストレーションをしてくださいます!
ぶっつけ本番にも関わらず、さすがの適応力!
アイマスクを付けた状態でもパスがスムーズに通り、参加者の皆さんは目が真ん丸に!
長年、ブラインドサッカーに携わっている僕でもあのプレーは全く理解ができません。笑
更に小野選手、河合選手、平川選手も飛び入り参加!
平川選手はアイマスクを付けて全力ダッシュ!参加者は大盛り上がりです!
小野選手はトラップにチャレンジ!
さすがサッカー選手!足元にしっかりとおさめ、更に正確なパスで返します。
河合選手は的確なコーチングでボールの位置や向きを伝えます!
デモが終わると各自チームに分かれて、体験開始!
「こっちこっち!」「前!」「右!」「左!」
「どっちだよ!」
アイマスクを付けた状態では方向もわかりません。
相手の立場にたって、声をかける。
被災時にも大切な思いやりの気持ちを、ブラインドサッカーを通して学ぶことができていました。
最後にはもう一度、菊島選手、木村選手によるデモンストレーション!
二人のパスとトラップが1回成功するごとに、「おおぉ!」と歓声があがっていました。
更に、菊島選手がまるで見えているかのように、なめらかにドリブルをしてからゴールを決め、参加者のみなさんからも大きな驚きの声が挙がりました。
小野選手もチャレンジ!
初めてにも関わらず、しっかりとしたドリブルとシュートを披露し、参加者から拍手が起こっていました。
最後は木村選手によるPK。こちらも見事なシュートを決めました!
体験して難しさを理解している参加者からは、「見えてるんじゃないか?」なんて声もありました。笑
ブラインドサッカーはすごく説明が難しいです。
言葉だけでわかってしまうようなら、体験会は必要ありません。笑
もし興味を持った方は、体験会に足を運んでみてください!
「OFF T!ME」:日本ブラインドサッカー協会が定期的に開催している体験会
各地域のクラブチームの練習を見学・体験するのもありかもしれません!
国内チーム一覧(日本ブラインドサッカー協会 公式HPより)
■ディフェンス・アクション
『ディフェンス・アクション』とは、サッカー・フットサルをしながら防災・減災を体感するワークショップのことです。
『災害によって、尊い命を失いたくない』という強い想いから生まれました。
日常生活の中では意識が薄れがちですが、有事の場合に必ず活きる、防災・減災の備えや知識。
『つまらない』『いつも同じような訓練ばかり』そんな現状を変えるべく、サッカーをしながら楽しく防災・減災を学ぶ、オリジナリティあふれるワークショップとなっています。
【伝言PK】
有事の際は、掲示板やペン紙もなく、携帯電話も繋がりません。そんな状況の中で、必要な情報を伝えなければなりません。まさにPKのキッカーの緊張感さながらの中、正確な情報伝達が欠かせないのです。
そこで生まれたのが『伝言PK』。
チームごとに分かれ、伝言を伝えていきながら、PKを決めていきます。
伝言の内容は、災害時の避難所などで伝えられるような支給品の連絡や、日程の連絡を模したものになっています。
各チームに選手たちも入り、さっそくスタート!
最初のキッカーにスタッフが伝言を伝えます。
「長い!ヤバい!」
そうなんです。この伝言かなり長い。
しかし、実際に避難所に書かれていた掲示です。
PKを決めることに集中してしまうと、伝言を忘れてしまう。
伝言の暗記に必死になっていると、PKを外してしまう。
さらに制限時間もあるため、とにかく焦る。
そんな中でどれだけ確実に情報を伝えられるかを競い合います。
素晴らしくよくできたワークショップです。笑
結果発表!
今回は全体的に成績が悪かったです…笑えませんね。
伝言10点、PK9点の19点満点ですが、1位のチームですら半分に達していません。
有事の際は場所や時間などを伝え間違えると、子供の安否確認や食料の不足など様々なトラブルのもとになってしまいます。
「情報伝達の大切さ」「地域住民との日頃からのコミュニケーション」の大切さの説明が司会者からあると、参加者は真剣な眼差しで聞いていました。
■閉会式
いよいよ楽しい時間も終わりを迎え、閉会式です。
最後に選手代表で小野選手から「コミュニケーションの大切さ」「サッカーをさせてもらえることの喜び」をお話しいただきました。
会場にいる全員が、3時間笑いっぱなしの素敵なCOLO CUPでした!
最後に、応援団体への寄付先選び。
受付時に各チームごとに配布していた『COLOバンド』を寄付先の箱に入れていただきます。
COLOバンドとは…
COLO CUPで毎回使用している手首に巻くカラーバンドのことです。
チーム分けと、閉会後に寄付先を選ぶ際の投票券の二種類の役割があります。
寄付先は、
・株式会社plainnovation
:福島県の子どもたちの笑顔づくりを支援。
・一般社団法人 復興応援団
:宮城県の地元の方々を中心とした復興の実現を応援。
・陸前高田スポーツグラウンドプロジェクト
:甚大な津波被害にあった岩手県陸前高田市にスポーツできる場所をつくる。
東北で活動されている、上記の3団体の内から、参加者のみなさんに1つずつ選んでいただき、寄付先に送らせていただきます。
■トークショー
いつもなら、このあと懇親会!さぁ乾杯だ!…と行きたいところですが、まだまだ終わらない今回のCOLO CUP!
ここからはトークショー!
「ブラインドサッカー」や「サッカー」について豪華なゲストに語りつくしてもらいます!
まず登壇してくださったのは、小野選手、河合選手、平川選手の3名。
まずは3選手に「ブラインドサッカー」を通して、学んだこと・伝えたいことをお話しいただきました。
小野選手「目が見えたり、当たり前のことへの感謝を感じることができた。」
河合選手「周りからのサポートや人との信頼関係の大切さに気が付いた。」
平川選手「障害を持っている人に壁があるように感じるが、実際はないのを感じ取ってほしい」
人それぞれ違ったことを感じることができるのも、ブラインドサッカーの魅力ですね。
司会の(株)HITOTOWA 代表の荒は、「防災減災とブラインドサッカーをはとても密接である」と、災害時にお年寄り、障害者や子どもなど、自力で生きるのが困難な方々を共助=コミュニティで助け合うことの大切さについて話していました。
次は「ディフェンスアクション」について!
「よく考えられてるなぁ。」と3選手からお褒めの言葉を頂けました!!
「被災時に、父親として何ができるのか考えるきっかけになった。」
「今日から脳トレを始める!」と防災・減災への意識の大切さを実感していただくことができました。
また、小野選手に関しては「ディフェンスアクション」から2時間が経過しているのにも関わらず、伝言を暗記していて会場を驚かせていました! やはり天才…
更に、「埼玉と北海道」という3人の深いご縁についても、語っていただきました。
「埼玉を通して集まった仲間が18年経って、ブラインドサッカーを通して繋がれたことに感謝したい。」
人と人の繋がりの大切さ、ありがたみをCOLO CUPを通して、3選手も感じてくださったようです。
ここからは「埼玉T.Wings」の菊島選手、「ナマーラ北海道」の芳賀選手にも加わっていただき、更にブラインドサッカーの魅力に迫ります!
2012年にプロ引退後、NPO法人セカンドサポート理事長として、「ナマーラ北海道」を2014年に立ち上げた芳賀選手が設立の経緯や、ブラインドサッカーの現状について語ってくださいました。
「ブラインドサッカーだけでは、まだ普及への影響力がないのが現状」
「今日のようにJリーガーという影響力を持った方々が支援を続けてくれると嬉しい。」と熱いまなざしで、Jリーガー3名に訴えていました。笑
菊島選手はどのようにプレーしているのかとの質問に、「うーん..感覚。笑」と合間合間に14歳らしさが出てきて、会場をなごませていました。
最後に全選手から、
「ブラインドサッカーがどんな形でもいいので何かを考えるきっかけになってほしい」
「まずは家族など身近な人に今日の体験を話してほしい。」
「今シーズンにはJリーグで直接対決もあるので、応援よろしくお願いします。」
と参加者全員にメッセージ。
盛大な拍手でトークショーは幕を閉じました。
最後にようやく懇親会!
「参加して良かった。」「本当に勉強になった。」「憧れのJリーガーに会えた!」
参加者全員が今日の体験や選手たちの話で大盛り上がりでした。
懇親会の閉会の言葉…これまでの道のりを思い出すだけで…正直泣きそうでした。笑
「多くの人に支えられて今がある。」「人との繋がりに感謝をする。」
参加者だけではなく、企画した自分自身も感じることができたCOLO CUPでした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回の「COLO CUP Vol.11」でお会いできることを楽しみにしております!
写真:加藤遼也/love.fútbol、五月女郁弥
文:宿本 楽