「親子の約束」デフサッカー×ディフェンス・アクション

東日本大震災の発生から丸6年を迎えた3月11日。東京都多摩市のフットサルステージにて開催された、耳が聞こえない・聞こえづらい子どもたちへ行われたサッカー教室にて、social football COLOのディフェンス・アクションを行いました。

サッカー教室の主催は、耳が聞こえない・聞こえづらい仲間が集まり、千葉県3部リーグにて奮闘する「バルドラール浦安デフィオ」の選手たち。はじまりの挨拶で泉コーチが子どもたちに伝えたメッセージは「チャレンジ」。子どもたちは今日いくつチャレンジができるでしょうか?

まずはウォーミングアップ。泉コーチの見本につづいて、体を動かしたり、ボールを上に投げて背中でキャッチしたり、リフティングをしたり。そのうち、少しずつ子どもたちとボールの距離が縮まっていきます。

次はシュート練習。コーチからパスされたボールをゴールに向かってシュート!上手く決められた子も、そうでない子も、何回も何回もゴールに向かってチャレンジしていました。

そして、いよいよディフェンス・アクション。この日の題材は「伝言PK」ならぬ「手話PK」。2チームに分かれて、紙に書かれたメッセージを、手話でお友達に伝えながらPKをしていきます。

最後にPKのゴール数と、メッセージの内容の正解を競うゲーム。みんな初めての経験で難しそうだったけど、お母さんやお父さんと一緒に、お友達に身ぶり手ぶりで伝えていました。

答え合わせでは、まったく異なる文章になっていて笑いも起きました。今回の「手話PK」のメッセージは、親子が離れているときに大地震が起きた場合の、待ち合わせや連絡に関する「親子の約束」でした。

「今日の手話伝言はちょっと長くて、むずかしかったと思います。でも、震災時の手話伝言は本当はもっと伝えたいことがたくさんあるのに伝わらない。また、子どもたちの耳が聞こえないことを周りの人に伝えられるかも重要です。お父さんお母さんは重要な情報を伝えるための伝言メモを子どもたちに持たせておくことも有効です。」とsocial football COLO代表の荒。ご両親も深く頷いていました。

 

ディフェンス・アクションのあとは、お待ちかねの試合!子どもたちの表情が一層キラキラ輝きます。COLOメンバーは手話はできないけれど、一緒に試合をして、アイコンタクトや表情、身ぶり手ぶりにてコミュニケーションがとれ、とても楽しい時間でした。

閉会の挨拶。泉コーチから「みんなチャレンジできた?」の質問に、全員が手を上げていました。また、バルドラール浦安デフィオやデフサッカー日本代表の試合の案内がされたときには、同じ聴覚障がいを持ちながらも活躍している選手に憧れのまなざし。夢を持つことの楽しさや大切さをサッカーが教えてくれていると感じました。

social football COLOでは、これからもデフサッカーに注目していきたいと思いました。そして、フットサル教室後には、フットサルステージに隣接している「E’s Café」にてランチをしました。こちらは、日本初の障がい者就労支援スポーツカフェバーであり、サッカーと食事を通して人をつなぐコミュニティスペースとなっています。

 

メニューも充実していて、美味しさだけでなく、素敵な盛り付けで、夜にはお酒も飲めるところでした。「E’s Café」にも注目です!

文:大西香奈恵