2016.02.20 /FUJI XEROX SUPERCUP 2016 × ディフェンス・アクション:レポート
2月20日に「『FUJI XEROX SUPERCUP 2016』サンフレッチェ広島VSガンバ大阪」の付帯イベントとして、日産スタジアム併設しんよこフットボールパークにて「ディフェンス・アクション」が行われました!
COLOは、震災を通じて得た学びを風化させないように防災減災をサッカー、フットサルを通じて「楽しく、体感で学べる」ディフェンス・アクションを開発しています。今回は、大きなタイトルマッチである『FUJI XEROX SUPERCUP 2016』の付帯イベントに企画協力をさせていただきました。
ゲストアンバサダーには、元Jリーガーで元日本代表でもある平野孝さんです。平野さんとはCOLO CUP vol.02以来の再会となりました。
■準備
ついに迎えた2月20日。当日は、厳しい寒さと雨予報に不安を感じるところもありましたが、それ以上に、このような機会に恵まれたことに大きな期待を抱きながら、COLORS(スタッフ)は準備を進めました。小雨がぱらつき始める中、黙々と会場の設営を行います。
■イベントスタート
設営を終え、あとは参加者を待つのみとなりました。日産スタジアムには、今シーズンのJリーグの幕明けともいえる大きなタイトルマッチに期待をもって観戦しにきた全国のサッカーファンが溢れています。
そして、準備中には本格的な雨も降りましたが、開会直前に奇跡的に雨がやみ、無事スタートすることができました。
雨で足元の悪い中でも、中学生から大人まで、そして、平野さんの大ファンの方も、多岐に渡る参加者に恵まれました。
■アンバサダートレーニング
今回、アンバサダーとして来ていただいたのは、元Jリーガー、元日本代表の平野孝さんです。以前、COLO CUP vol.02にもスペシャルゲストとして参加していただいています。まずは、アイスブレイクを兼ねたウォーミングアップから。
はじめの一歩として、ジョギングしたり、サイドステップを踏んだり、時計回りに円を描きながら身体をほぐし歩きます。そこから徐々に地面タッチや回転ジャンプ、後ろ向き走などのアクションを交えて、1~5の数字の合図とともにその数字が結びついているアクションを行いました。参加者の方々は、平野さんの体と頭を使うウォーミングアップに遅れまいと必死についていきます。
無我夢中になって、その場にいた人と会話をしたり、声をかけあったり。今日初めて会ったとは思えないような盛り上がりでした。
次のアイスブレイクは鬼ごっこです。2畳分くらいの四角いスペースがあり、四角の線上だけが唯一動ける場所。鬼にタッチされないように交わすのが必須です。ただの鬼ごっこと思っていたことも平野さんが口を開けば、サッカーの極意を教えてもらっていたのだとハッと気づく。そんな瞬間が多くありました。
ここまでボールは使っていません。身一つ、コミュニケーション一つで楽しめるアイスブレイクに、その場にいる誰もが没頭していました。参加者同士のコミュニケーションも次第に活発になっていきます。
次のボールを使った2人組のトレーニングでは、連続パスを行いました。大人は真剣な眼差し、子どもたちは嬉しそうな表情で平野さんの言葉一つひとつに頷きます。声を掛け合い、コミュニケーションを取りながらパスの練習をします。身体と心がほぐれ、平野さんを中心として場に一体感が出てきたところで、ディフェンス・アクションに移ります。
■ディフェンス・アクション「パターン・オブ・ディフェンス」
「ディフェンス・アクション」とは、social football COLOが企画するサッカー、フットサルを通じた防災減災ワークショップです。「サッカーやフットサルを楽しみながら防災減災を体感で学ぶ」というコンセプトのもと行っています。
今回行った「パターン・オブ・ディフェンス」は、サッカーにおけるディフェンスと家具転倒防止の種類を学べるミニゲーム形式のワークショップです。「マンマーク・ディフェンス」と「ゾーン・ディフェンス」を行いながら、「はりつけ」と「連結」という2種類の家具転倒防止方法を学びます。
パターン・オブ・ディフェンスの特徴のひとつは、「オフェンスが家具になりきる」ところです。家具の描かれたパネルを首から下げ、味方とパスを繋ぎながらゴールを狙います。
家具が転倒しないようにゴールを守るのは、ディフェンスの役割です。
家具転倒防止方法の一つである「連結」は、攻めてくる家具が「テレビとテレビ台」など連結すべき家具のセットであった場合に、ディフェンス3名が手をつないで「ゾーン・ディフェンス」になぞらえています。
もう一つの家具転倒防止方法である「はりつけ」は、攻めてくる家具が「食器棚やタンス、本棚」など壁や床などにそれぞれ貼り付けて固定すべき家具だった場合に、ディフェンス3名がそれぞれ張り付いて「マンツーマン・ディフェンス」になぞらえています。
自宅やオフィスなどでも、家具の種類に合わせて防災をしっかりと行うことが重要です。
サッカーのゲームに防災の要素を加えたことで慣れない動きやルールもありましたが、オフェンスでは手をあげる、ディフェンスでは大きな声で「はりつけ!」や「連結!」という声をあげるなどチームに工夫が見られました。
あと少しでゴールが決まったのに……と悔しがったりディフェンスが成功した時にはハイタッチをして喜んだりと、参加者の方々がゲームに熱中していることが伝わる場面も多く見られました。「ディフェンス・アクション」は大変白熱し、寒空の下でも寒さに震える人は誰もいません。
途中で行われる作戦会議の時間では、スタッフのCOLORSも輪に入ってそれぞれのチームの色に合った戦略を全員で考えます。
後半戦は、作戦会議の甲斐あってかゲームの中に新しい動きが見え、徐々にシュートの本数も増えていきました。一方で、ディフェンスの声掛けも増えて徐々にヒートアップ! ゴールが決まらず、平野さんも悔しそうに天を仰ぐ場面が見られました。
大人も子どもも無我夢中でボールを追いかけ、思わずもれる楽しそうな歓声があちらこちらから上がります。
■おわりに
さいごに、平野さんから「今日したことが自ら防災減災を考えるきっかけとなります。これからも行動に移していきましょう」との言葉がありました。シンプルな言葉にも熱が感じられます。
よりブラッシュアップした内容の「ディフェンス・アクション」をお見せできるようスタッフ一同、力を尽くしていきます。これからのCOLOの挑戦と成長に、どうぞご期待ください。
ご拝読ありがとうございました!
写真:五月女郁弥、田中宏明
文:五月女郁弥、石川涼子