==「名古屋グランパスと学ぼう サッカー防災®ディフェンス・アクション」イベント概要==
日時:2019年8月10日(土)
場所:豊田市駅前 大通り路上(車両通行止め)
ゲスト:楢﨑正剛氏(名古屋グランパススペシャルフェロー)
プログラム内容:
⑴イレブン防災クイズラリー エリア
⑵ゲストと一緒に学ぶ ディフェンス・アクション エリア
主催:一般社団法人TCCM
協力:崇化館地区12自治区(一区、二区東部、二区西部、三区、東区、中区、西区、平芝、平芝前、陣中、栄町、西山)、
豊田市駅前通り南開発株式会社、株式会社名古屋グランパスエイト、豊田市
企画・運営:social football COLO、名古屋市・豊田市大学生消防団
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〜開催告知はこちらから〜

豊田市駅前の大通りを車両通行止めにして行なった
今回の「名古屋グランパスと学ぼう サッカー防災®ディフェンス・アクション」。

イレブン防災ブースエリアが行われている隣のエリアでは、
楢﨑正剛さん(名古屋グランパススペシャルフェロー)をゲストに迎えたサッカークリニックと
サッカー防災®プログラムであるディフェンス・アクションが実施されました。

social football COLOのディレクターを務める津村がこのイベントの趣旨説明をするところからスタート。
今回の取り組みは、豊田市の中心市街地の活性化を担う一般社団法人TCCMが
主催となっていますが、なぜまちづくり会社が防災?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
まちづくりには大きく二つあり、建物を中心としたハードのまちづくりと、
人のつながり・コミュニティやその場所で行われる活動を指すソフト面でのまちづくりがあります。

特に防災は、世代や属性関係なく必要とされる取り組みであるため、
豊田の街で暮らす方々を巻き込むことが必要です。

ただ、「防災」という一見堅いテーマをやるだけでは、
多くの方(特に若い世代の方々)から関心を集めることも難しいと言われています。
そこでJクラブの名古屋グランパス協力のもと、楢﨑正剛さんにお越しいただき、
楽しく防災を学ぶという目的のもと、今回の企画実現に至りました。

参加者の方々に対して、司会からそういった趣旨を説明しているものの、
皆さんの目線は司会の隣に立っているゲストの楢﨑正剛さんに集まっています。
それも仕方ありません。間近で見る楢﨑さんは現役を引退されてもなお、
その存在感は圧倒的で、沿道を通る方も足を止めるなど、
名古屋グランパスのレジェンドたる所以が随所に現れていました。

その楢﨑さんから、
「自分自身もあまり災害や防災について考えることは日頃少ないですが、皆さんと一緒にしっかり防災を学んで帰りたい」
とご挨拶をいただきました。

そして、開会式の最後は地域の方にもご協力いただき、
熱中症対策として参加者全員で打ち水をして、キックオフ!
いよいよ東海エリアで初めてのディフェンス・アクションがスタートします。

最初は災害時の初期行動とウォーミングアップを兼ねた「ファースト・アクション」。
道路の上を時計周りにウォーキングしながら、パネルに書かれた災害や数字のパネルにあわせて、初期行動をとります。

楢﨑さんにも加わっていただき、数字が書かれたパネルが掲げられたときは、
参加者が我先にと楢﨑さんと同じグループに加わろうと必死になっている姿もこのイベントのハイライトでした。

そのあとは、楢﨑さんのサッカークリニック。
チームを2つのグループに分けて、サッカーの基本である「ボールを止める」「ボールを蹴る」を教わります。
まずは手を使ってボールに慣れる。

「胸の高さに投げてみよう」「相手が受け止めやすところに」

という楢﨑さんのアドバイスを参加者の皆さんが受け止めつつ、
味方を思いやるという姿勢からサッカーはチームスポーツであることを改めて感じます。

防災や被災後の活動もまさにこの相手を思いやる気持ちや共助=ともに助け合う姿勢が重要になります。

そういったことを感じながら、実際に足でボールを蹴ってみます。
今回は初心者の方や小さなお子様の参加者もいらっしゃいましたが、
やっぱり楽しそうです。苦しそうにサッカーをやっている人は一人もいませんでした。
サッカーの持つこういった力は、スポーツの場面だけでなく、
人とのつながりを作る上でもとても重要だなと思いました。

そして、楢﨑さんのサッカークリニックを終え、
最後のディフェンス・アクションプログラムは「パス・ストック」です。

先ほど楢﨑さんから教えていただいたインサイドパスの技術を使って、
ボールを蹴りながら、備蓄品をひとりひとつずつ答えていきます。

そんなとき、「備蓄品ってなんですか?」という質問を参加者の方からいただきました。

「災害時には水や食料、日用品などの物資が不足することがあります。
備蓄品とは、そういった事態に備えるために、あらかじめ家に蓄えておく
物資のことを備蓄品と言います。」と津村から説明をしました。

こういった防災用語をしっかりと子どもたちにもわかりやすく伝えていくことは重要ですね。

参加者の方に備蓄品リストをお配りし、制限時間2分の中で、一生懸命暗記していただきます。
馴染みのある水や食料・懐中電灯といったもの以外にも、
携帯用充電器や簡易トイレ、毛布・ブランケットや入れ歯洗浄剤などさまざまな備蓄品があります。

そしていよいよゲームスタート!
先ほど覚えた備蓄品をチームが力を合わせてひとつずつ答えて積み上げていきます。

「頑張れ、あともう一本!」
「ナイス!」
「それはさっき言ったよ!」

など、参加者同士、声を掛け合い、励ましあい、そして笑い声が絶えない中、
パス・ストックの制限時間2分が終了。
一番多く答えられたチームは29本で、他のチームもたくさんの備蓄品を答えることができました。

楽しい時間はあっという間。

閉会式では、ゲストの楢﨑さんから
「なかなか普段の生活の中で災害のことや防災について考えることは少ないが、
家に帰ったらまず備蓄品を見直してみようと思う」
とおっしゃっていただきました。

また参加いただいた子どもたちからは「楽しかったです!」と一言。
防災は継続的に実施しないといけないことだからこそ、楽しく学べることが重要です。

特に東海エリアは南海トラフ大地震の発生が迫ると言われている地域です。
日々の備えが、災害時の被害を必ず軽くしてくれます。
災害時の初期行動や備蓄品に限らず、家具の転倒防止など、
やるべきことはたくさんありますが、できることからひとつずつみんなで取り組んでいきましょう。

写真提供:一般社団法人TCCM